システィック・ヒグローマ
※システィック・ヒグローマと診断された時の日記です※
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NTが誤診であることを祈りながら臨んだ、院長先生の診察。
エコーを見ながら、院長先生が言いました。
「これはシスティック・ヒグローマという先天奇形です」
NTとダウン症のことで頭がいっぱいだった私には、思いもよらない診断でした。
先天奇形?
呆然としていると、院長先生から以下のような説明がありました。
- NTは単なるむくみだが、私たちの赤ちゃんの後頭部にはリンパ液の溜まった腫瘍がある。これを嚢胞性ヒグローマ(システィック・ヒグローマ、システィック・ハイグローマ)という。嚢胞が悪化すると、お腹や胸にも水が溜まっていく。
- 1000人に1人程度、親の遺伝とは関係なく先天的に発生する。
- お腹の中で胎児死亡の可能性が高く、心臓や内臓に先天的な欠陥があることも多くみられるため、生まれた後も短命なことが多い(予後不良)。
- 嚢胞がなくなり健常に生まれる胎児もいるが稀である。(約12%)
- システィック・ヒグローマの胎児は染色体異常の確率が50%、染色体異常がなくても50%には先天的な異常がある。
- 嚢胞自体は20週までになくなることが多いが、染色体異常や先天的異常自体はなかったことにならない。
- 妊娠継続した場合、首に嚢胞があるため赤ちゃんが羊水を飲み込むことが阻害され、お母さんのお腹にどんどん羊水が溜まり、早期破水や流産の可能性が高まる。
聞けば聞くほど絶望的でした。
最後に、お腹の赤ちゃんはお腹にも水が溜まっている。
いつ心臓が止まってもおかしくないといわれました。
そして先生からは、羊水検査を進められました。
羊水検査をすると、染色体異常があるかわかる。
もし染色体異常であれば今後再発の可能性はほぼないが、そうでなければ再発の可能性は少し高まる。
また、血族同士の子供であれば再発の可能性は約25%高まるとのことでした。
(私たち夫婦の場合は違います)
羊水検査をしたからこの子に何かプラスがあるのか?
そう思いましたが、今後の妊娠した時にリスクを考えると受けたほうがよいとのことでした。
「妊娠継続するかどうか、夫婦でゆっくり話し合ってください。
善悪で考えなくていいですからね。」
2週間後また胎児の様子を見て、羊水検査を受けるか受けないか、日取りはいつにするかの話をすることになりました。
2週間後。
それまで赤ちゃんは生きていられるのでしょうか。
待つには長すぎる時間だと思いました。
夫と車に戻り、呆然としてしばらく泣いていました。
1時間ほどひたすら泣いて、なぜかお腹が減りお昼を食べました。
ひどかったつわりが不思議とこの時だけ治まり、2か月ぶりに担々麺を食べました。
おいしいね、こんなに普通にご飯を食べられるのは久しぶりだねと夫と話しながら、
お腹の赤ちゃんは今も頑張っていて、いつ力尽きてもおかしくない。
なのに平気な顔でご飯を食べて、私はなんて非情な母親なんだろうと自分にがっかりしました。